うめの式

京都在住のワーキングマザーが綴る ミニマリズムな暮らしのこと

方丈記。

人間には60兆個の細胞があって、

常に生まれ変わって人間の生命活動を維持しているわけです。

明日に死に 夕べに生まるるならい

体は入れ物。

全身の細胞は3年で確実に全部生まれ変わるので、

3年経ったらまったく新しいわたしかも。

ただ水の泡にぞ似たりける

古くこびりついていたものが、

プチプチと弾けて消えていきます。

凝り固まって痛みとなっていました。

ブレーキで押さえつけられていました。

そういうものと一緒に生きてきたのに、

次々とわたしの中から消えていく。

知らず生れ死ぬる人

いづかたより來りて いづかたへか去る

自分の中のくだらないものとのお別れ。

そんなものでも、自分の一部だった。

だから少し寂しいです。

でも「もういいよ」って声がしたので、

幸せになろうよ」って声がしたので、

捨てる覚悟ができました。

又知らずかりのやどり 誰が爲に心を惱まし

何によりてか 目をよろこばしむる

全く新しい細胞のわたしが、

今までのわたしと同一であるのは、

記憶を連れ添って生きているからでしょうね。

入れ物の中には、記憶と心がぽつりぽつり。

どちらも拙く確たるものじゃないのにね。

そのあるじとすみかと 無常をあらそひ去るさま

大きな海に身を沈めながら

安心して大きな空を泳ぐ鳥。

似ているか、違うのかは、

寄り添っていればわかるけれど、

そんなことはたいした問題じゃないんです。

いわば朝顏の露にことならず

或は露おちて花のこれり

何かを失ってやっと何かを得ることができるなら

わたしは喜んで過去を捨てていくし、

またあるときは、その両方を

選ぶことができるくらいの自由を持っています。

残るといへども朝日に枯れぬ

或は花しぼみて露なほ消えず

めんどくせーな。

幸せなんです。

今がいいなら、それでいいよ。

夜なんてまたずに昼から乾杯!

消えずといへども夕を待つ事なし