「つむぎ」について
今日は2月22日。にゃんにゃんにゃんの猫の日である。
なので、わたしが大好きな「つむぎ」さんについて書こうと思う。
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三十路を前にして、「自分の生き方」について自問自答し始めた。
それは=自分の大切にしたいものは何か?という問いであり、
その答えについて、最近、とてもシンプルであることに気づいた。
シンプルでありたい、と思っていることにも。
そのうちの、ひとつについて。
わたしはお酒が好きだ。
死ぬまでビールジョッキを天に向かってかかげ続けたいとすら思っている。
ひとりで飲むのも好きだし、
人と飲むのも好き。
空気を吸うように、自然にお酒を楽しんでいる。
今日は、面倒くさいとしか言いようがない確定申告を終え、
気分も爽快に行きつけの「つむぎ」さんへランチへ出かけた。
新鮮で無農薬の野菜(なんだろう、こういう野菜って「お野菜」って言いたくなる)
を、シンプルに、ときには手間暇かけて、
美味しくしあげてくれる店主の悦子さん。
「今日はランチを食べに来ました」
その一言でいい。
あとは食事をする人の声と、静かに流れるいつものジャズを聴いていれば、
ポンと、まるで魔法のように、出てくるのだ、鮮やかで美味しい料理が。
そして箸を進めていると、ポンとまた新しい料理が皿に乗せられる。
「これも食べてみて」 と。
そしてそれは、料理というか、おつまみであり、
今日はイカの塩辛だった。
目の前で作られて、そのまま皿に乗る。
なんて軽快。なんて豪快。なのに味は繊細。
「飲むでしょう。ビールでいいね。生じゃないけど」
そういって、冷蔵庫から琥珀恵比寿の缶を出してきて、
グラスに注いでくれた。
それ、悦子さんの私物では?と思った矢先、
「あたしのだけどっ」 と。
ああ、好きだ。
料理も好きだけど、悦子さんの飾らない優しさと心遣いと、
じんわあり伝わる温かさ。たまらない。
「まだ飲むでしょう。これも空けてくれる?」
そういって日本酒の一升瓶をかたむけてくれる。
飲みましょう。飲みましょう。
ついでにそこのゴボウの炊いたやつもくださいな。
つむぎには、「みりん」、「おもち」と名付けられたニャンズがいる。
二匹は今日も片や悦子さんのお腹の上で、
片や顔の横で眠り、朝を迎えたらしい。
猫好きにはたまらないシチュエーション。
我が家のニャンズも冬はこぞってブランケットに侵入し動かない。
つむぎにいると、そんな猫の一匹になったような気持ちになる。
悦子さんの料理や良く通る声は、とても心地がいいから、
ずっとそこにいたくなる。
猫は温かいところが好き。
温かいお店と悦子さんが好き。
だからまた、ごはんと優しさをもらいに行く。
それは、背中を撫でてよしよしってしてもらうのと同じ。
ふらっと現れる野良猫を、
どうぞこれからもよしなに。
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tumugi (紬・つむぎ)
075-641-3045